IPRCについて

国際太平洋研究センター(IPRC)は、日米共同の研究機関として、1997年にハワイ大学海洋地球科学技術学部内に設立され、アジア・太平洋地域を中心に地球環境とその変動に関する研究を行っています。

IPRCは、米国政府の各種機関とハワイ州からの研究助成によって運営されています。また、日本の独立行政法人海洋研究開発機構より共同研究のための資金提供を受けています。

IPRCの活動や成果は、研究内容刊行物でご覧いただけます。

現在IPRCは、総勢50名を超える、教授陣、研究員、博士研究員、長期訪問研究員を擁し、研究活動を実施しています。

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使命

「国際色豊かな研究環境を創り、アジア・太平洋地域の気候変動及び変化について、その性質と予測可能性に対する人類の理解を向上させ、得られた知見を社会に役立てるために活用する革新的な手法を生み出す」

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気候研究学界におけるIPRCの展望と役割

世界の人口の半分以上がアジア・太平洋地域に居住しており、季節内から100年を超える様々な時間スケールで気候系の変動が人々の生活に影響を及ぼします。そのような気候変動には純粋な自然現象も、人間活動が関係したものもありますが、IPRCでは、それらを記述し原因を探るため、モデル研究や診断的研究を行なっており、このような基礎研究を進展させることで、アジア・太平洋地域の環境予測の改善という最終目標に大きく貢献しています。IPRCでの研究の柱の一つは、エルニーニョ・南方振動、モンスーン循環、インド洋の経年変動、熱帯大気の季節内振動、そして熱帯低気圧といった、熱帯起源の現象です。その他の重要な課題としては、北太平洋中高緯度における十年規模変動の性質、黒潮・親潮の力学、縁辺海の気候系における役割に関する研究があります。さらに、モデルによる将来予測の評価や過去の気候のモデル研究により、人類起源の気候変化に関する様々な課題に取り組んでいます。このように、様々な時間スケールの気候変動のモデル・診断研究の実績をいかし、長期にわたる気候変化によって、「顕著現象」を含む短周期の現象がどのように変化するのかを理解するための取り組みも行っています。

IPRCは、ハワイ大学海洋地球科学技術学部との協力のもと、学生や若手研究者の指導を通して、気候研究の国際的な発展に大きく貢献しています。また、海洋研究開発機構とハワイ大学の連携により日米研究協力を進めており、これもIPRCの活動の柱となっています。IPRCは、アジア・太平洋地域の気象学・海洋学について専門知識を有する国際的な教授陣・研究者を擁しており、米国の他大学では類を見ないほどその分野の専門家が集中しています。また、アジア・太平洋地域に焦点を当てた研究は、米国内の研究機関としては非常に珍しいと言えます。ハワイ大学海洋地球科学技術学部の太平洋を専門とする研究者の協力もIPRCの活動に欠かすことはできません。かつてないほど国際化した学界において、IPRCでは、アジア・太平洋地域の人々すべてにとって重要な課題に焦点を当て、米国とアジアの長期的で深い研究協力関係を確立しており、この点でも米国有数の研究機関であると自負しています。

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